うさ介護日記6-お別れ
No.42
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6月頭、また急に具合が悪くなり緊急入院した。 食欲がぜんぜんない。前にそんな時、急性腎不全とわかって一週間入院したことがあったので、血液検査をしたが結果は異常なしだった。しかたないので、いまさらのようではあるがEz症の薬も出してもらった。 前足は左右にひらき、軍艦鳥のように頭は上向き加減で自分でできるのは前足をばたばたさせるだけ。もはや要介護度5という状態で、排泄も上半身をもちあげて縦になったときに出す。ペットシートの上をときどき移動させてあげなければならなかった。一日でも家を空けるのは気が気でない状態だったが、それでもまたしばらくすると、ちょっと元気をとりもどした様子で強制給仕をはさみつつ数週間がすぎた。 6月終わりの週、急にまた食欲がなくなってきていた。小松菜もあまり食べなくなり、スイカをちょっと食べるくらい。お気に入りのチビイチゴや大好物の乾燥パインさえだんだんうけつけなくなってきた。なんとか食べられるものをみつけてはご機嫌をとってたべさせてきたのだが…。身体の麻痺もずいぶん進行してしまっていた。そして突然排泄がほとんど出なくなってしまった。強制給仕も苦しそうになってきた。とうとう消化器官にまで麻痺がきてしまったのだろうか。 週末も仕事をかかえていたので主人に病院につれていってもらった。だいぶ弱っていて心配だったが、いつものように薬をもらって帰って来た。 夜中…いや明け方4時近く、仕事にきりをつけて寝る事にした。ぼんやりチャチャをながめていた。静かにだが喘いでいる。暑いのだろうか…いや、暑くはない。食べ物の消化が出来ずに苦しいのかもしれない。結局この二日ほとんど排泄できていないのだ…。ぼんやりとしばらく眺めていたが、パソコンの電源を落とし、空調もきって床についた。夏にはまだ早いと思っていた。
けれど8時すぎ、暑さで目がさめた。 はっとしてチャチャを見にいった。昨晩(明け方)とかわらない体勢で目もひらいたままだったが、固まったようにピクリとも動かない。 ずっと予感してたはずなのに突然のことだった。 どうして空調をきってしまったのだろう。もっと昨晩なでてあげればよかった。どうしていよいよその時なのだと気づかなかったんだろう………………………………… 考えはじめるときりがない、でも結局どうにもしようがなく、苦しさを長びかせるばかりだったかもしれない。気がつくと半年、長い闘病生活だった。
七夕をまたず、6月終わりの日曜の朝にチャチャは月に帰っていった。
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2005/10/26
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